やっぱり、2年前色々と話しておくべきだったか。
でもよ、普通男だったらかっこわりーところ見られたり、話したりなんてしたくねぇだろ。
ましてや、好きな女の前じゃな。

頭を垂れてガシガシと頭を掻いてため息を一つ。

いつもだったら直ぐに許してドアを開けてくれるというのに、 ドアは硬く閉ざされていてが本気で怒っているということが伺えた。



こいつ俺がバスケ止めてからも影でこっそりマネの手伝いしてたんだよな。
別に影でこっそりしなくてもいいだろうに、 あいつのことだから俺が止めたのに、私がしてるなんてって遠慮してたんだろうな。
しかも終わってから夜な夜な俺を探して徘徊してたらしいし。
危ねぇ、おばさん止めろよ!
っておばさんの性格じゃ、 止めるどころか嬉々としていってらっしゃ〜いって送り出すか。



俺もよ、意図的にじゃねぇけど避けていた部分があったからな。
色々悪かったって思ってたし、 赤木や木暮に色々聞いて直ぐに飛んできたけどよ、2年も待たせちゃ遅ぇよな。

今更ってか。

2年の壁はでけぇなと未だに硬く閉ざされたドアに思い知らされる。



でもこんなところで俺は、止まってられねぇ。
恥を忍んでバスケをまたやるって決めたんだ。
やるなら全国!
全国行くにはお前のサポートが必要不可欠だろ?
なあ、
全国連れてってやるから、俺についてこい。

ってか

「俺に一生ついて来い!」
「ん?何か言った??」

ケロッとした顔で出てきたは、聞いてなかったのか首を傾げていた。

オイ、聞いてなかったのかよ!?
今までの俺はなんだったんだ。

未だに正座しつつ、つつつと上を見上げると可愛いい大きな目が合う。

普段、女を見て綺麗や可愛いだなんて思わねぇけど、 久々に見るせいなのか今俺の前に立っているはやべぇぐらい綺麗で可愛い。
おまけに香水だかシャンプーの匂いだか知らねぇがいい匂いがする。
こんなの反則じゃねぇか。
遠目ではこんなにドキドキしなかったって言うのに、可笑しなもんだ。



「顔赤くない?風邪??」
「ば馬鹿、赤くねぇよ!」

そういうものの、 しっかりと赤いと自覚している顔を隠すように目を逸らす。

「それより、お前怒ってたんじゃないのかよ」
「ん?怒ってたけどさ、着替えてたらどうでもよくなっちゃった」

可愛くテヘと舌を出すは可愛い。
こんな状況で可愛いとか俺どんだけ惚れてんだよ。
しかも忘れたって、開いた口が塞がらないってこういうことを言うんだな。
ポカンとした顔で見つめる俺はかなり滑稽だろう。

「あれ?ひーちゃん大丈夫?」

現に心配そうな顔でが顔の前で手をひらひらと揺らす。

大丈夫じゃねぇよ。

はぁと本日2回目のため息ともにガクっとうな垂れる。

「大丈夫そうじゃないけど、まぁいっか。で、さっき何か言ってなかった?」

いつからそんな適当なやつになったんだ!
・・・俺はその程度なのか?
どうでもいいのかぁぁぁ!!!?

「何でもねぇよ!」

無性にイライラしてそっぽを向いた。

「・・・」

プッツンという何かが切れる音が恐ろしいほどハッキリと聞こえてしまい、 反射的に見上げると






one more please!


   もう一度、言えってんだゴラァ!!



綺麗でいて可愛い顔のはずなのに、 何故か恐ろしく感じてしまう笑顔を貼り付けたがいました。

(い、言えっかよ!)(アァン?どの口が言ってんだゴラァ!!!) (お前人格変わりすぎだろう、オイ!)(徳ちゃんの直伝だ文句あっか!) (何時のまに知り合いになってるんだよ!?しかも愛称呼び!!?文句ありまくりにきまってんだろぉ!てか、あいつぶっ飛ばす!!)